Tuesday, June 07, 2011

一番を目指す

会社の主催する、IT技術者向けのコンファレンス、
基調講演で、はやぶさの川口淳一郎氏のお話を聞く機会があった。

非常に inspire される内容だった。資料は配付されなかったので記憶の限りだが、科学技術に対する思いや後進の育成−−これは子どもの教育にも通じる−−など印象に残った内容をメモしておきたい。

  • 原発事故は、宇宙科学技術者からすると信じられない
宇宙開発、惑星探査では、いったん打ち上げてしまえば手の届かないところへ行ってしまう。やり直しのきかない世界。現地に行って調査するとか、対策を講じるなどと言うこと一切できない。そのためには、あらゆることを考慮検討し打ち上げに臨む。
福島の事故では、「起きたことが想定外であった」という発表だが、起きることを想定されていないことは宇宙開発では考えられない。
  • 一番を目指す
小惑星への往復飛行を成し遂げたのは「はやぶさ」が世界初。各国からも賞賛の言葉を受けているなかで、アメリカはつぎのような声明を出している(出典を見つけることはできなかったので、メモの限り)。
NASAは ディスカバリー計画、スターダストでサンプル持ち帰りに成功している。「はやぶさ」の世界で2番目の達成おめでとう。

アメリカは国を挙げて自分たちが「一番」であることを国民へメッセージしている。「一番」であること「一番を目指すこと」が国民に勇気を与え科学技術の発展に寄与する。科学技術の発展において「一番」を目指さなければならない。
  • 後進の育成
宇宙航空技術において、どんな小さな仕組みや仕様でも「なぜそうしているか」という理由がある。xxxが壊れたらどうするのか、その対応策もうまく作動できなかったらどうするのか、と何段階にも考える。また、無駄も省かなければならないので「何のために必要か」とも。常に疑問の目を持って見ることが大切だと若手の技術者に教えるのだそうだ。
こうした姿勢は子どもたちの教育にも通じると感じた。
  • 隼という漢字
漢字好きの長男にぴったりの話もあった。「隼」という漢字について。
サンプリングホーン= 一本足
太陽電池パネル= 左右に広がる
本体= ほぼ真四角の形状
通信用のアンテナ= 大小2つのアンテナを備える
イオンエンジン= 4機あり、本体から横向きについている
まさに小惑星探査のはやぶさを表している字だ
非常に恵まれたひとときだった。


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